SSブログ

歩いても歩いても Still Walking (2008年) [邦画]

監督、原作、脚本、編集:是枝裕和
出演:阿部寛(横山良多)、夏川結衣(良多の妻、ゆかり)、YOU(姉、ちなみ)、高橋和也(ちなみの夫、信夫)、田中祥平(横山あつし)、寺島進(寿司屋の息子)、樹木希林(母、横山とし子)、原田芳雄(父、横山恭平)

 10月1日(水)バンクーバー国際映画祭にて。18:40から。「アキレスと亀」よりすいていたか。日本に行った時もやっていて、そのときは「西の魔女が死んだ」に入ってしまったが、こっちのほうが良かったかも。是枝監督の映画も初めてだった。死を扱っている点で「西の魔女」と似たモチーフがあるが、テーマは異なる。こちらの映画は親子がテーマだ。

 特に何が起こるというわけでもないある家族の、ただし一年の中では特別な日の24時間を中心に描いている。原作者である是枝監督が述べているのだが、この映画は監督の母に対する思いをつづったものだ。ただし、監督がこの映画で楽しく笑いたかったと述べているように、笑いの絶えない、そして終わった後の感じもさっぱりとしたものだ。「人生はいつもちょっとだけ間に合わない。」というセリフが最後のほうに出てくるのだが、それは後悔なのではなく、「人生とはそういうものなのだよね」と確認するもので、前向きだ。

 家族の日常のようでもあるが、子供が成人して独立したあとだから、年に1~2回の帰省の機会という一種の非日常を扱っている。自分の家族、親兄弟との間でありそうなことばかりで、製作者の力量を感じる。そして、そんな中に親子でも他人ということがシリアスにならずに表現されている。親子のコミュニケーションの難しさ、ふとしたことで気づく親の老い、そして子供としての自分と親としての自分、そんなところか。後日談のところで、かなり短い期間で両親が死んだことになってしまっているところは、ちょっと月並みすぎたかなという感想。

 個人的には京浜急行電車と横須賀の海(たぶん)。近くに住んでいたことがあるので、映画のロケが行われた(映像にうつされた地名表示によればそうと思われる)長沢のあたりも行ったことがある。主人公である良多と同じ年代でもあり、個人的な思い入れがあった。外国でこのような映画を見ることができて満足。

(2008年10月14日)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。