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西の魔女が死んだ(2008年) [邦画]

原作:梨木香歩
監督:長崎俊一
出演:サチ・パーカー(おばあちゃん)、高橋真悠(まい)、りょう(ママ)、大森南朋(パパ)、木村祐一(ゲンジ)、高橋克実(郵便屋さん)

 6月29日、雨の日曜日に新宿武蔵野館にて。立ち見も出る盛況でしたが・・。

 この映画のテーマは、成長、あるいは大人になることということだろう。ただ、残念なことに映画自体にはどことなく物足りなさを感じた。後で原作をよんでみてわかったのだが、原作自体淡々と書かれたもので、それをあまりにも忠実になぞっていたせいではなかったか。また、どういうわけか俳優さんたちがほとんどみんな棒読みな感じで、いま一つ映画の世界に入って行けなかった。そして原作には出てこない高橋克実の郵便屋さんは不思議なものでビビッドなのだ。

 ということで、仮説なのだが、原作が小説として作られたものを映画化することは、おそらく原作のできが良い場合にはとりわけ、難しいのではないか。原作がいいとどうしても原作に忠実になろうとするが、原作に引っ張られ過ぎてしまうと映画としてはうまくいかない。結局、映画と小説は表現の手段が異なっており、本質的に小説は映画よりも圧倒的に情報量が多い。したがって、最大でも2時間ぐらいしかない映画の中でそれを全部表現するのは本来無理なのだ。だから、映画を作るときにはテーマもエピソードも絞りに絞る必要がある。本質に向かって考えに考え抜くということが映画では小説以上に必要なのではないかな。

 内容のほうでは、テーマ自体はいいのだけど、主人公が女の子でもあったりして、40歳を過ぎたおじさん向きの映画ではなかったかもしれない。このようなテーマだったら、おじさんには、男の子も出てくる夜のピクニック">夜のピクニックのほうが良かったな。というのが少々だらしないことながら、このおっさんの感想でした。

(2008年10月16日)
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