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夜のピクニック(2006年) [邦画]

監督:長澤雅彦
出演:多部未華子(甲田貴子)、石田卓也(西脇融)、郭智博(戸田忍)、西原亜希(遊佐美和子)、貫地谷しほり(後藤梨香)
原作:恩田陸

 新作映画です。9月30日初日に渋谷ピカデリーで観てきた。最終回に行ったのだがガラガラだったぞ。皆さん「涙そうそう」にいっちゃったかな。

 題名は夜のピクニックだが、実際は夜だけではなくて朝から24時間かけて80kmを歩く(途中走る)という、高校の行事(「歩行祭」)を題材としている。24時間を一緒に過ごす中で、高校生が成長していく。彼らは実にあっという間に成長するのだ。なんとなく「スタンド・バイ・ミー」を連想させる。

 「人生とは、バックミラーを見ながらクルマを走らせているようなもんだ。」ということを、人に聞いたか、もしかしたら自分で考えたか、定かではないが、実際のところ、これは真実なのだ。

 未来のことは、5秒後のことであっても実はわからない。普通は何も変わったことは起こらないから、次の5秒後も何も起こらないような気がするが、実はそうではない。大地震が起きて家につぶされて死ぬかもしれないし、北朝鮮からミサイルが飛んでくるかもしれないし、もしかしたら原因もわからず心臓が止まるかもしれない。

 この映画に出てくる戸田忍がこのような感覚に近いことを言う。一つは、高校生たちが川の土手にずらりと並んで休憩しているときに、たしか「こんなに時間がよく見えるのはめったに無い」という趣旨のことを言う。自分の後ろを歩いているのが過去、前を歩いているのが未来、ということ。もう一つは、夜が明けた頃、足を捻挫して歩けない西脇の隣に座って、「この場所で、この景色を、このようにして見ることはもうないのだろうな」ということを言う。

 そういえば、自分が高校生のとき、部活の夏合宿で山に登ったことがあり、帰りに信越線の碓氷峠あたりで(今は廃線だよ)、過ぎていく景色を見ながら似たようなことを感じた。確かにあの時間、自分はあそこにいた。20数年後、自分はここにいるが、あの自分と今の自分は同じなのだろうか。

 さりげないところで、最後の英語の挿入歌が良かった。もう英語忘れてしまったが、「私が一番そばにいたい人はあなただ」ということを繰り返し歌っていた(やっぱり「スタンド・バイ・ミー」だ)。よくある歌詞だとは思うけど、シーンにあっていてよろしかった。あそこで字幕を出してしまうと興ざめかもしれないが。

(2006年10月3日)
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